この記事を読んでいる人の中には、これまで結婚式や披露宴に出席したことがない人もいれば、何回か出席したことがある人もいるでしょう。
結婚式や披露宴に出席する際は、守らなければいけない服装マナーがあります。
皆さんは、結婚式や披露宴での服装マナーについてどの程度知っているでしょうか?
今回は、結婚式や披露宴での服装マナーについて、男女別で解説していきます。
また、最後には結婚式や披露宴での服装マナーに関するQ&Aも用意したので、そちらも合わせて参考にしてみてください。
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結婚式・披露宴での服装マナー:男性

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和装の場合
和装の場合、正礼装は五つ紋付羽織袴となります。
羽織と羽織下の着物は黒の無地を着るようにします。
家紋が白く染め抜いてあるものを使用し、袴の縞は幅が狭く、手に白い扇子を持つのが正式な形となります。
草履は畳表で、鼻緒の色は白です。
和装の正礼装のメリットは、着る時期や時間帯を問わない点です。
服装で迷う必要がないので安心です。
洋装の場合
洋装の場合は、参列者の立場として、また着る時間帯にふさわしい礼装を選ぶようにします。
正礼装の場合、昼はモーニングコート、シルバーグレーか白黒ストライプのタイ、黒革の靴に黒無地のソックスなどといった形になります。
モーニングコートとは、グレートと黒、または白黒ストライプのズボンのことを指します。
夜は、燕尾服かタキシード、蝶タイ、礼装用のポケットチーフ、黒のエナメルの靴などといった形になります。
蝶タイは、燕尾服の場合は白、タキシードの場合は黒になります。ポケットチーフは白シルクのものを用意しましょう。
準礼装の場合、昼はディレクターズスーツ、サックスコート、ブラックスーツ、白シャツにシルバーグレーか白色ストライプのタイ、礼装用のポケットチーフ、黒の紐付き靴などといった形になります。
夜は、タキシード、白のウィングカラーまたは普通襟のシャツ、黒の蝶タイ、カマーバンド、礼装用のポケットチーフ、黒のエナメルの靴などといった形になります。
タキシードは、上着と共布のズボンで側章が一本入ったものを用意しましょう。
略礼装の場合、ブラックスーツまたはダークスーツ、シャツ、タイまたは蝶タイ、靴、礼装用のポケットチーフなどといった形になります。
シャツやタイ、蝶タイに関して、昼の場合は白シャツにシルバーグレーか白黒ストライプのタイ、夜の場合はタキシード風に黒の蝶タイなどを合わせるのがおすすめです。
靴はシンプルなデザインのものを用意しましょう。
小物を使うとよりおしゃれな礼装になります。
男性ゲストは、8割以上がブラックスーツを着用しています。
ブラックスーツは昼夜兼用できるので楽です。
個性を出したいという人は、タキシードがおすすめです。
新郎新婦の上司として出席する場合
新郎新婦の上司という立ち位置にいて、当日は主賓として出席することになっている場合は、きちんと正装に身を包む必要があります。
新郎新婦の直属の上司でスピーチなどを依頼されているときは、ブラックスーツなどの準礼服で、それ以外ならダークスーツで問題ありません。
新郎新婦の知人、友人として出席する場合
新郎新婦の知人、友人として出席する場合は、ブラックスーツにシルバータイが定番の服装となっています。
これでも十分ですが、シャツをカラーのドレスシャツに変えたり色物のネクタイをプラスしたりして着こなしを工夫すると、よりおしゃれに見えます。
夫婦で出席する場合
夫婦で出席する場合の服装に関しては、これといった決まりがありません。
ただし、格を合わせることだけは忘れないようにしてください。
お互いの服の色を似たものに合わせたり、旦那さんのポケットチーフの色や柄と奥さんのドレスをお揃いにしたりするなど、共通点を作って工夫すると、素敵な印象を与えることができます。
結婚式・披露宴での服装マナー:女性

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和装の場合
和装の場合は、着る和服の種類によって格差がはっきりと分かります。
また、洋装と違い、ミセスしか着ることができない着物とミスしか着ることができない着物があります。
正礼装の場合、ミセスは色留袖か黒留袖、ミスは振り袖を着ます。
ミスが着る振り袖には、大振り袖と中振り袖があります。
準礼装の場合、ミセスとミスで区別がありません。
訪問着または色無地紋付、色留袖を着ます。
訪問着は紋をつけることによって準礼装となり、これは和装として一般的な服装ともされています。
略礼装の場合、こちらもミセスとミスで区別がありません。
つけ下げか小紋、色無地を着ます。
小紋は全体に同じ模様が描かれたカジュアルな着物、色無地は一色に染められた柄のない着物のことを指します。
洋装の場合
洋装の場合は、きちんとしたルールがありますが和装ほどではありません。
また、女性の場合は昼と夜で、それぞれの時間帯に合った服装を選ぶ必要があります。
昼の服装としては、アフタヌーンドレスやセミイブニング、セミアフタヌーンドレスなどがあります。
夜の服装としては、イブニングドレスやアフタヌーンドレス、カクテルドレスなどがあります。
アクセサリーは、昼はコサージュやパールなどといった光らない素材、夜は宝石などといった光る素材を利用したものをつけます。
結婚式・披露宴での服装に関するQ&A
最後に、結婚式・披露宴での服装に関するQ&Aをいくつか紹介します。
知っているようで意外と知らないマナーがいくつかあるので、こちらも一緒に押さえておきましょう。
着物に時計や指輪はOK?
着物を着て時計や指輪をつけることはNGではありません。
ただし、時計はなるべくつけない方が良いです。
マナー違反とまではいきませんが、時計をつけていることによって、結婚式や披露宴という正式な場で時間を気にしているのかと思われてしまうことがあります。
指輪に関しては、つけていても何の問題もありません。
着物にピアスはOK?
着物を着ているのにピアスをつけていても良いのかと疑問に思う人がいるかもしれませんが、その点に関しては何の問題もありません。
ピアスは、揺れるタイプのもの以外であればOKです。
揺れるタイプのピアスや長めのピアスは、着物には似合わないので避けるようにしましょう。
つけるのであればなるべく小さいピアスをつけるようにしてください。
黒留袖を着ても良いのは誰?
黒留袖を着ても良いのは新郎新婦の両親だけと思っている人がいるかもしれませんが、それは間違いです。
黒留袖を着ても良いのは、新郎新婦の両親だけではありません。
例えば、親族のみで披露宴を行う場合は、既婚女性も黒留袖を着て構いません。
他にも新郎新婦の母親や、仲人夫人などが該当します。
兄弟姉妹やいとこ、甥、姪などの結婚式だと、黒留袖だけでなく色留袖を着るのも良いです。
色留袖を着ることによって、会場がより一層華やかな雰囲気になります。
サンダルで出席しても大丈夫?
結婚式や披露宴に、サンダルを履いて出席するのは避けましょう。
また、ミュールもNGです。
現在は、昔と違って靴に関するマナーが変化してきているので、現在のマナーに合った靴を選ぶようにしてください。
結婚式や披露宴に履いていく靴は、基本的に露出の少ないものを選ぶようにします。
例を挙げると、プレーンなパンプスやヒールなどです。ヒールは、先のあるものが無難とされています。
ヒールが苦手だという人は、ローヒールでも構いませんが、エナメル素材や光る石、リボンなどといった飾り付けのあるものを選ぶようにしましょう。
シンプルな雰囲気のブラックスーツを着ても大丈夫?
シンプルな雰囲気のブラックスーツだけを着ていると、服の色が黒一色となるため、弔事をイメージさせる服装になってしまいます。
ブラックスーツを着る際は、アクセサリーやコサージュ、ショールなどをアクセントとし、華やかさをプラスするようにしましょう。
ドレスコードは昼と夜で変わる?
ドレスコードは、昼と夜で変わっても大丈夫です。昼は露出を抑えた服装で参加しましょう。
アクセサリーとして光物をつけないのは原則ですが、最近はゴールドやラインストーン、ラメ入りの素材などといった光物がOKとなってきています。
逆に夜は、袖なしなど肌の露出が少し多めの服装でも問題ありません。
「平服=カジュアルな普段着」という認識はOK?
平服とは、正礼装でなくても良いということを意味しています。
そのため、決してカジュアルな普段着で良いというわけではありません。
この点の認識に関しては、少し甘い人が多いので注意しておきましょう。
もし平服で良いと言われたら、披露宴ほどフォーマルな服装にする必要はありません。
男性ならスーツ、女性ならスーツやワンピースが一般的です。
コサージュやストールなどを合わせて華やかさを演出してみるのもおすすめです。
服に合った香水をつけるのはOK?
結婚式や披露宴に参加する際、服に合った香水をつけることが許されています。
ただし、料理の匂いをもかき消すような強い香水をつけていくことは避けてください。
他人に不愉快な思いをさせることは、結婚式や披露宴においてマナー違反となります。
まとめ
今回は、結婚式・披露宴での服装マナーについて男女別に解説してきました。
今回の内容をまとめておきます。
- 男性の和装の場合、正礼装は五つ紋付羽織袴となる。
和装の正礼装は、着る時期や時間を問わないというメリットがある。 - 男性の洋装の場合、8割以上がブラックスーツを着用している。
ブラックスーツは昼夜兼用できる点がメリットとしてあるが、個性を出したい場合はタキシードがおすすめ。 - 男性が新郎新婦の上司として出席する場合は、ブラックスーツなどの準礼服、もしくはダークスーツなどの服装にする。
- 男性が新郎新婦の知人、友人として出席する場合は、ブラックスーツにシルバータイが定番の服装となっている。
シャツやネクタイにアクセントをプラスすると、よりおしゃれに見える。 - 男性が夫婦で出席する場合は、格を合わせることを忘れない。
服の色を似たものに合わせたり、奥さんのドレスとお揃いの色や柄のポケットチーフにしたりするなど、共通点を作って工夫すると良い。 - 女性の和装の場合、正礼装はミセスとミスで着るものが異なっている。
準礼装と略礼装はミセスとミスで区別がない。 - 女性の洋装は、昼と夜で時間に合った服装を選ぶ必要がある。
- 着物に時計や指輪は問題ない。
ただし、時計はつけていると印象を悪くする可能性もあるので、極力つけないようにするのがベスト。 - 着物にピアスは問題ない。
ただし、つけるのであればできるだけ小さいピアスをつけるようにする。揺れるタイプのものや長めのものはNG。 - 黒留袖は、新郎新婦の母親や仲人夫人、親族の既婚女性が着るのが一般的。
新郎新婦の両親だけしか着ることができないわけではない。 - 結婚式や披露宴に、サンダルやミュールで参加することはNG。
プレーンなパンプスやヒールなど、露出の少ないものを選ぶようにする。 - シンプルな雰囲気のブラックスーツだけを着て結婚式や披露宴に参加するのは、弔事をイメージさせることになってしまうのでNG。
アクセサリーやコサージュ、ショールなどでアクセントを加えるようにする。 - ドレスコードは、昼と夜で変わっても問題ない。
昼は露出を控えた服装で参加、逆に夜は露出が少し多めの服装でもOK。 - 平服は、決してカジュアルな普段着を意味しているわけではないので注意する。
もし平服で良いと言われたら、男性はスーツ、女性はスーツかワンピースで出席するのが望ましい。 - 服に合った香水をつけることは問題ない。
ただし、料理の匂いをもかき消して、他人に不愉快な思いをさせるような強い香水をつけることは避ける。
結婚式や披露宴での服装マナーは、たくさんあることが分かりました。
そのため、全て守ろうと思うとどうしても難しく感じてしまいます。
結婚式や披露宴は正式な場なので、まずは場違いな服装をしないことを心がけてみてください。
マナーを守ることは、意識するところから始まります。
マナーを守ろうという意識を持って、1つずつ着実に守っていけるようにしましょう。
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