結婚式に招待されたゲストは、ご祝儀を基本的に受付で渡すことになります。
また、受付を依頼されて担当することになった場合は、受付係としてゲストにお車代を渡すという仕事があります。
ご祝儀やお車代といった言葉はほとんどの人が耳にしたことがあると思いますが、渡し方や渡すタイミングなどについてきちんと理解できている人は少ないのではないでしょうか?
私も、そのきちんと理解できていない人のうちの1人です。
そこで今回は、結婚式の受付でのご祝儀やお車代の渡し方、渡すタイミングについて解説していきます。
私と同じような人には是非読んでほしい内容ですし、結婚式に招待されたり受付を依頼されたりしたときに必ず必要になる知識が盛りだくさんとなっています。
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受付でのご祝儀の渡し方
結婚式に招待されたゲストは、最初にも述べた通り基本的に受付でご祝儀を渡すことになります。
その際、約7割の人が袱紗(ふくさ)にご祝儀袋を包んで持っていくようにしています。
ここで皆さんに質問です。袱紗とはいったい何か知っていますか?
ちなみに私は全く分かりません。私と同じく全く分からないという人は多いと思うので、袱紗についても少し説明を加えながら話を進めていきます。
袱紗とは、ご祝儀袋を包むためのものです。
ご祝儀をむき出しで取り出すのはマナー違反となっていますし、ご祝儀袋をそのまま持ち歩くのは袋を傷める原因にもなります。
そのため、ご祝儀袋を袱紗に包んで持っていく人が多いです。
多いといっても、これはある意味守るべきマナーでもあるので、袱紗で包んで持っていくのが当然といえば当然です。
袱紗は結婚式のたびに使うことができるので、1つ持っておくだけで違います。大人のたしなみとして1つ持っておくと良いのではないでしょうか?
渡し方については、会場に到着し受付に向かったら、まず袱紗からご祝儀を取り出し袱紗を畳みます。
そして、畳んだ袱紗の上にご祝儀を置いて、受付の方に向かって両手で渡します。これがご祝儀の正しい渡し方になります。
ご祝儀を渡すタイミング
ご祝儀を渡すタイミングは、一般ゲストと親族、そして当日受付を担当する場合とで違ってきます。
どれについても誰もがなり得る立場なので、それぞれしっかり確認しておきましょう。
一般ゲストの場合
まずは一般ゲストのご祝儀を渡すタイミングです。
これについてはこれまで何度も述べてきているように、受付です。
ご祝儀は本来、結婚式当日までに新郎または新婦の自宅へ行って渡すのが基本となっていました。
しかし、現在は結婚式に出席する際に持ってきて、受付で渡すというのが一般的となっています。
新郎新婦と行き来が頻繁にあり、事前に渡す機会があるという場合は、結婚式より前に新郎新婦に直接渡すというのもアリです。
ただし、その際は受付で「お祝いは事前に新郎新婦にお渡ししてあります。」と一言伝えるようにしてください。
そうしないと、ご祝儀を渡さない悪いゲストだと思われてしまいます。
ご祝儀は結婚式において非常に重要なアイテムなので、その点は十分に注意しましょう。
親族の場合
次は親族のご祝儀を渡すタイミングです。
親族の場合は、新郎新婦との関係性や家の慣習などにもよりますが、結婚式までに新郎新婦に手渡しするのが良いとされています。
特に兄弟姉妹や普段から交遊のある親しい間柄の親族であれば、直接ご祝儀を渡す方が新郎新婦にとっても嬉しいです。
なお、ご祝儀を事前に渡す際は、遅くとも結婚式の1週間前までに渡すようにしてください。
結婚式数日前から、新郎新婦は準備などに追われて忙しくなります。
そんな中でご祝儀を直接渡すのはなかなか難しいことですし、そんなタイミングでご祝儀をもらっても新郎新婦は素直に喜べないのではないでしょうか?
私がもし新郎新婦の立場だったら、結婚式直前にご祝儀をもらったとしても、準備などでバタバタしていて忙しいこともあってストレスから素直に喜べないのではないかと思います。
きちんと喜んでもらうためにも、結婚式1週間前までに渡すことを心掛けましょう。
また、お祝い事なので大安や友引など、縁起の良い日を選んで渡すのがベターとなっています。
ただし、最近は縁起などを気にせず新郎新婦の都合を優先して渡すのがベターにもなっています。
当日受付を担当する場合
最後は、当日受付を担当する場合のご祝儀を渡すタイミングです。
受付が始まると、受付係は次々来るゲストの対応に追われることになります。
そのため、披露宴が始まってから自分のご祝儀を渡すのを忘れていたことに気付くことも多いです。
当日受付を担当する場合は、渡し忘れを防ぐためにも、受付を始める前のタイミングで自分のご祝儀を出しておくのがベターです。
その際、住所や名前を記入する芳名帳(ほうめいちょう)にも記入するのを忘れないようにしましょう。
このタイミングで芳名帳の記入も済ませておくと、後が楽です。
受付係が最初に記入しておくことによって、ゲストのお手本にもなります。
1番初めに記入するのは緊張するかもしれませんが、受付係である以上、結婚式を運営するスタッフの1人として振る舞うことが求められます。
気持ちを込めて頑張って書くだけでも違います。
受付でのお車代の渡し方

adamski9 / Pixabay
受付係は、新郎新婦の代わりにゲストの対応を行う役割なので、お車代と席次表を一緒に渡すなどといったことはしてはいけません。
必ず新郎新婦の立場になって、遠方からお越しになってくれたことに対するお礼を述べて渡すことが重要になります。
また、お車代は遠方からのゲストにだけ渡すものになります。
そのため、近場か遠方か微妙なゲストにはお車代が用意されていないこともあります。
ゲストからハッキリ見える場所にお車代を置いておくと、「自分は遠方から来たつもりだったのにお車代をもらえなかった」とゲストをモヤモヤさせてしまうことにもなりかねません。
その人自身は遠方から来たつもりでも、ゲストの中にはもっと遠いところから来ている人がいる可能性もあります。
お車代は堂々と渡すものではないので、あまり目につかないところに置いておくのがベストです。間違っても机の上に置くことがないようにしてください。
しかし、お車代はあくまでも現金なので、紛失してしまっては困ります。
受付係の目のつかないところに置いてしまうのは危険なので、袋などに入れて足元に置いておくと良いです。
お車代を入れる袋は新郎新婦が用意していることがほとんどですが、用意されていないことも考えられるので、受付が始まる前に念のため確認しておくと良いでしょう。
お車代を渡すタイミング
お車代を渡すタイミングは、ゲストが芳名帳への記入を終えた後です。
以下の流れを参考にしてください。
2.ゲストの名前を確認しお車代を渡す対象であれば、ゲストが芳名帳に記入している間に足元の袋からお車代を取り出しておく。
3.お車代を渡す。
4.席次表を渡す。
この流れで業務を行えば、無駄な時間なくスムーズに受付を進めることができます。
受付を依頼された際は是非参考にしてみてください。
なお、3と4の順番は逆でもかまいませんが、この順番で行った方がゲストにとっては嬉しいです。
その理由は、先に席次表を渡してしまうと片手が塞がってしまい、お車代を両手で受け取るのが難しくなってしまうからです。
お車代を先に渡しても同じじゃないのかと思った人がいるかもしれませんが、お車代は基本的にポチ袋などといった小さな袋に入れてあります。
そのため、お車代を先に受け取ったとしても片手が塞がることはないので、お車代を渡すのはやはり席次表を渡す前の方が良いといえるでしょう。
受付でのその他のマナー
ご祝儀やお車代の渡し方、渡すタイミングについて見てきたところで、受付に関するその他のマナーについても確認しておきましょう。
今回は、受付で必ず行う挨拶と芳名帳の記入に関するマナーを解説します。
まず挨拶をきちんとする
受付に着いたら、まず受付の担当者に挨拶するのがマナーです。
挨拶の言葉としては「本日はおめでとうございます。」が基本的です。
また、このときに「新郎or新婦の友人の〇〇と申します。本日はお招きいただいて誠にありがとうございます。」といったように、どちら側の友人であるかも伝えるようにしましょう。
受付の人が友人など顔見知りである場合は、お祝いの言葉を言うのが照れ臭かったり違和感があったりするかもしれませんが、恥ずかしがらずしっかり挨拶してください。
そうすることで、周りからの印象も良くなります。
控室や披露宴中などは、新郎新婦の両親に挨拶する機会が出てきます。
その際も、受付時と同様にお祝いの言葉をかけるようにしましょう。
なお、新郎新婦の両親と面識がない場合は、話題に困ってしまう可能性が高くなります。
そのため、新郎新婦との関係に関することや天気など、簡単に話せる話題を用意しておくと安心です。
芳名帳への記入
芳名帳には名前と住所を記入します。
芳名帳に記入する際は、丁寧な字で書くことを心掛けましょう。
この記事を読んでいる人の中には、綺麗な字を書くのが苦手だという人がいると思います。
私も、自分の字が綺麗だとはあまり思っていません。
しかし、結婚式などといったきちんとした場では、綺麗に書こうという気持ちを持って書くだけでいつもより綺麗な字を書くことができます。
これは実際に私も経験したことがあります。
綺麗な字が書けなかったとしても、丁寧さはきちんと伝わるので、間違っても友人に代理で書いてもらうということだけは避けてください。
結婚式の受付は新郎新婦で分かれているため、芳名帳も2冊あります。
受付した方の芳名帳に記入します。
家族で参加する場合も、全員必ず自分の字で書くようにしてください。
先ほども述べた通り、代理で書いてもらうことはNGです。
小さい子供であれば仕方ないですが、基本的には自分で書くようにしてください。
参加者全員が芳名帳に自分で記入するというのがマナーだということを、しっかり覚えておきましょう。
まとめ
結婚式の受付でのご祝儀やお車代の渡し方、渡すタイミングについて解説してきましたが、いかがでしたか?
この記事を通して、ご祝儀やお車代の渡し方、渡すタイミングについて理解してもらうことができていれば嬉しいです。
それでは最後に、今回の内容を整理しておきましょう。
- 結婚式に招待されたゲストの約7割が、袱紗(ふくさ)にご祝儀袋を包んで持っていくようにしている。
7割といっても、これはある意味守るべきマナーでもあるので、大人のたしなみとして1つ持っておくと良い。
渡し方については、会場に到着し受付に向かったら、まず袱紗からご祝儀を取り出し袱紗を畳む。
そして、畳んだ袱紗の上にご祝儀を置いて、受付の方に向かって両手で渡す。 - 一般ゲストのご祝儀を渡すタイミングは、受付。
親族のご祝儀を渡すタイミングは、遅くとも結婚式の1週間前まで。
当日受付を担当する場合のご祝儀を渡すタイミングは、受付を始める前。 - 受付係は、新郎新婦の代わりにゲストの対応を行う役割なので、お車代と席次表を一緒に渡すなどといったことはしてはいけない。
必ず新郎新婦の立場になって、遠方からお越しになってくれたことに対するお礼を述べて渡すことが重要。
また、お車代は堂々と渡すものではないので、あまり目につかないところに置いておくのがベスト。
ただし、受付係の目のつかないところに置いてしまうのは危険なので、袋などに入れて足元に置いておくと良い。 - お車代を渡すタイミングは、ゲストが芳名帳への記入を終えた後。
なお、お車代の前に席次表を渡してしまうと、片手が塞がってしまいお車代を両手で受け取るのが難しくなってしまう。
お車代は基本的にポチ袋などといった小さな袋に入れてあるため、お車代を先に受け取ったとしても片手が塞がることはないので、お車代を渡すのは席次表を渡す前の方が良い。 - 受付では、挨拶と芳名帳の記入も行う。
挨拶の言葉としては「本日はおめでとうございます。」が基本的。
また、このときに「新郎or新婦の友人の〇〇と申します。
本日はお招きいただいて誠にありがとうございます。」といったように、どちら側の友人であるかも伝えると良い。
芳名帳には名前と住所を記入する。
芳名帳に記入する際は、丁寧な字で書くことを心掛ける。
綺麗な字が書けなかったとしても、丁寧さはきちんと伝わるので、間違っても友人に代理で書いてもらうということだけは避ける。
ご祝儀を渡す際もお車代を渡す際も、感謝の気持ちを持って渡すことが重要です。
感謝の気持ちがあるかないかだけで、もらったとき、受け取ったときの気持ちも変わります。
これは結婚式の受付のみならずどこでも言えることなので、感謝の気持ちを持ち、かつマナーを守ることを意識しましょう。
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