ライフスタイルの変化や、女性の社会進出にともない晩婚化が進む一方、年々再婚するカップルが増えています。
そこで気になるのが……
再婚カップルの結婚式はするべきか?しない方が良いのか……?
初婚の際に結婚式を挙げている手前、ゲストに掛けてしまう金銭的負担のこと、そして結婚式のカタチなどに悩んでしまうこともあると思います。
ですが、元プランナーの筆者としてはせっかくこれからの人生一緒に歩んでいこうと思えるひとに出会ったのなら、是非結婚式を挙げて欲しいと思うのです。
「迷惑かな?」「しない方が良いかな?」な複雑な気持ちは、ゲストへの配慮や結婚式のカタチで解消できるもの。
今回は、再婚カップルの皆さまへ……。
周囲に迷惑をかけずに結婚式を挙げる方法をご紹介します!
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再婚カップルは結婚式をする?しない?リアル事情
筆者はプランナーを約10年間勤めていました。そこで実感していたのが、プランナーをはじめた当初に比べて、再婚をオープンにし、自然に伝えてくださる方が増えたということ。
プランナー当初は、打ち合わせを進めていく中で「実はわたしの彼、再婚なんです。」と控えめに申し出てくださる方が多かったように思います。
申し出てくださる方はまだ良い方で、結婚式当日ご両親から「実はうちの子、2回目だから『結婚式はしなくてもいいんじゃない?』って言ってたんだけど、やっぱりやって良かったわ!」とご両親から伺うこともしばしば。
ですが、数年のうちに状況は少しずつ変化……。
婚活パーティーにも「再婚カップル限定!」などと、再婚カップルをバックアップする体制も整い、再婚カップルが増える昨今。
式場見学の段階から「わたしたち、二人とも再婚なんですよ!だから、結婚式はホントにシンプルで!」と伝えてくださる方も格段に増え、世の中全体が、再婚に対してポジティブに捉えられる傾向にあるんです。
でも再婚カップルの結婚実施率は……
ただ一方で注目したいのが、再婚カップルの結婚式実施率。
こちらは結婚情報誌ゼクシィを発行しているリクルートが行った「結婚総合意識調査2017(リクルートブライダル総研調べ)」より「いずれかまたは両方再婚の「挙式、披露宴・披露パーティーの実施状況」を見てみると……
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
挙式、披露宴・披露パーティーともに実施 | 32.9 | 34.1 | 33.7 | 26.7 |
挙式のみ実施 | 9.8 | 11.3 | 11 | 9.7 |
披露宴・披露パーティーのみ実施 | 4.2 | 1.3 | 1.3 | 2.5 |
挙式、披露宴・披露パーティーともに非実施 | 53.1 | 54 | 54 | 61 |
このように、一番最新の2017年の結果では、再婚カップルが結婚式を実施した件数は減少傾向にあることがわかります。
プランナー時代、式場見学には来られているものの「結婚式はしたいけれど、ほんとにしても良いものかと」悩まれている方も多数おられたのも事実です。
再婚カップルが「じゃ、結婚式しよっか♪」となかなか気軽に踏み込めない事情とは……。
再婚の結婚式は「迷惑?」「しない方がいい?」と思ってしまうワケ
再婚を決めたとはいえ、結婚式に対して二の足を踏んでしまうことも多いといいます。
- 「再婚の私たちが結婚式をすると、ゲストに迷惑をかけてしまうのではないか?」
- 「そもそもしない方が良いのではないか?」
そう悩んでしまうの原因の多くは、この3つの理由からでした。
ゲストからまたご祝儀をもらうことになってしまう
再婚の結婚式を躊躇するいちばんの理由とされるのが「ゲストからまたご祝儀をもらうことになる」ということ。いずれかが再婚の場合、最初の結婚のときに結婚式を挙げたというひとも多いと思います。これが最大のネックに。
しかも、結婚式に招待されたゲストの金銭的な負担は、ご祝儀だけにとどまりません。
結婚式場までの交通費、遠方の場合には宿泊代も必要になりますね。それに、結婚式に出席するための服の用意に、女性ならヘアセット代も掛かったりと総額は数万円単位の負担に。
「もし、自分が結婚式に招待された側になると」と考えてみると、一度目の結婚式なら心からのお祝いの気持ちを持って出席できるはず。だけど、やっぱり二度目の結婚式参列ともなると、本音の部分では複雑な感情になってしまいますよね。
そのことを十分に察することができるからこそ、大切な友人や親族には「新たな門出を見守ってほしい」と思う気持ちとは裏腹に、「招待することで迷惑をかけてしまう」「“また結婚式に招待されちゃった”と思われるかも」という気持ちになってしまがち……。
家族からの複雑な声もあったり……
ご親族の目を気にして、結婚式を挙げることに難色を示されるご両親もおられます。ここでもいちばんネックになるのは「一回、ご祝儀もらってるしね」というところ。
そして2つ目のネックは、遠方から来られる方も多く、年配の方々には体力的な負担もかけがちです。
また、再婚を「新たな出発」ととらえがちな新郎新婦世代とは違い、年配世代にはまだまだ再婚がマイナスイメージになっている方もおられるよう……。担当させていただいた再婚カップルの中には、世代間での「再婚」への意識の差があり、ご両親が「結婚式に前向きになってくれなかった」とおっしゃる方もおられました。
再婚の結婚式に複雑さを加える『一方が初婚・相手が再婚』の状況の違い
再婚の結婚式を余計に複雑にするのが『どちらか一方が再婚』の場合。おふたりともが再婚だと、結婚式のカタチもスムーズに決めることができます。
ですがいずれかが初婚の場合、特に『花嫁さまが初婚』『新郎さまが再婚』の場合は、結婚式に対するモチベーションがご本人たちだけではなく、ご両親にも大きな違いがあるのが一般的……。
それぞれの気持ちに寄り添った解決策を生み出す必要があるんです。
そこで次にご紹介するのは、新郎さま・花嫁さまが「初婚」「再婚」と状況の違うカップルは、結婚式をどう捉えるべきか……。
プランナーの実体験からご紹介します。
「初婚」「再婚」状況の違ったカップルが結婚式をする場合
ひとくちに「再婚の結婚式」と言っても、必ずしもふたり共が揃って再婚というわけではありません。
一方は「初婚」、でも相手は「再婚」というケースも珍しい話ではなく、そうなると結婚式をどうするのか?がより複雑になってしまいがち。
そこで、筆者がプランナー時代に経験したパターンをご紹介しましょう!
新郎さまが再婚・花嫁さまが初婚の場合
新郎さまが再婚で、前の結婚ですでに結婚式を挙げられていたとしても、花嫁さまが初婚の場合には、花嫁さまのご意向にあわせて華やかな結婚式をする傾向にあります。
結婚式の主役は、新郎新婦のおふたりです。
ですが、その中でも特に主役になるのがやはり女性側。小さい頃からウェディングドレス姿に憧れを持ち、当然ご両親もそれは同じ。
「結婚=たくさんのゲストに見守られるなか華やかな結婚式を」が当然の方程式となっている方が多くおられます。
このパターンの場合には、新郎さまは極力女性側の意見を取り入れる方が賢明かもしれません。
とはいえ、新郎さまのご両親の意向を反映するのも大切です。
- 両家の人数は極力バランス良くする
- 新郎側のご祝儀は事態する旨、招待状には付箋を入れる
など、ゲストへの配慮も忘れないようにしましょう。
新郎さまが初婚・花嫁さまが再婚の場合
結婚式に夢を抱くのは、花嫁さま側が多い結婚式。新郎さまが初婚で、花嫁さまが再婚の場合は、よほど新郎さまの強いご希望がない限りは、結婚式はシンプルにすることが多かったです。
このパターンで一番多かったのは、親族中心の食事会というスタイル。両家揃ってご挨拶の意味も込めて結婚式が行われてました。
また衣装や演出なども極力シンプル。結婚式の内容も、お色直しなどは特になく「できるだけお金は掛けずに」「これからのお付き合いもあるので相手のご親族とゆっくり会話できるような結婚式がしたい」そうおっしゃるカップルが多数。
夢見ていた初めての結婚式とは違い、2回目の結婚式ともなると女性はより堅実的に「予算」や「今後のお付き合い」を見据えた結婚式スタイルを選択されていました。
再婚の結婚式で周囲に迷惑をかけないための方法
では、再婚の結婚式で皆さんが懸念される「ゲストに迷惑をかけたくない」という悩みを解決するためには……。
元プランナーからご提案できるのは以下の3つの方法です。
1 ご祝儀、お車代……ゲストの金銭的負担は極力少なくする
再婚の結婚式でいちばんのネックになっているのは、ゲストに掛かる金銭的な負担の問題。
ご祝儀は辞退する
まず2回目の結婚式招待となる場合には、ご祝儀を辞退する方が賢明でしょう。
ご祝儀を辞退する場合には、口頭で「結婚式にはご祝儀を持ってこないでね!」とだけを伝えるのはNG。口頭で伝えた上で、さらに招待状の文面に「ご祝儀は辞退させていただきます」の一筆を添えましょう。
それでも、まだ結婚式にご祝儀を持参してくださる方がおられます。
その場合には、結婚式後にギフト券で返したり、一般的な内祝いの金額にさらに費用を上乗せしたお返しをするようにします。
交通費や宿泊代はできるだけ全額負担する
新幹線や、飛行機を利用して来られるゲストもおられると思います。通常、それらのゲストに対する交通費の負担相場は両家によって異なります。
- 片道だけ負担
- 片道+宿泊代
- 往復+宿泊代負担
- キリの良い金額(35,000円掛かっているなら30,000円など)
など負担方法は様々。
ですが、再婚の結婚式で2度目の招待となる場合には、できるだけゲストに費用負担をかけてしまわないように、交通費も全額負担するようにします。
また、可能ならばチケットや宿泊の手配も新郎新婦さま側でしてあげる方が、ゲストに手間をかけることなくより丁寧でしょう。
2 親族、友人の二部制パーティーにする
ゲストを結婚式に気兼ねなく招待するのであれば、「親族」のみの結婚式と、「友人」のみの会費制パーティーに分ける方法も。
まずは親族だけを招待して「挙式+食事会」
親族中心の結婚式では、シンプルに挙式と食事会を。また担当させていただいたお客さまの中には「家族だけの挙式+食事会」というスタイルを選ばれた方も。
けじめとして挙式はきちんと行い、そのあとは気兼ねなく家族だけで食事会もアットホームで素敵でしたよ。ご兄弟同士でゆっくりと話す時間もありましたから、両家の親睦を深めるきっかけになっていたようにも見えました。
ドレスコードをカジュアルにして友人だけの「会費制パーティー」
親族や家族だけで、きっちりと食事会をしたあとは、友人だけを招待してカジュアルなパーティーも!ゲストに費用の負担をかけさせない方法は2つ。
1.ご祝儀はなしにして、会費制にする
2.ドレスコードを設けて(「デニム」や「白シャツ」などカジュアルなドレスコードに)ゲストへの衣装の負担も軽減させる
これらの気配りによって、ゲスト側への金銭的な負担は極力抑えることができます。
ゲスト側も、気軽に出席できますしね!
リゾート婚という手もあり
親族や友人に対して「また招待したら迷惑をかけちゃう?」と気がかりになりがちな再婚の結婚式。
であれば、そもそも招待することのないリゾート地や、海外で結婚式をするという手も有ります。
近隣で結婚式を挙げるから「招待した方が良い?」「招待しないと気まずい?」なんて心配の種が。けれど、リゾート地で結婚式を挙げるならそんな気遣いも無用です。
リゾート地によっては、近隣で結婚式を挙げるよりも費用を抑えることができる場合もあります。
近隣で結婚式をした場合と、リゾート婚をした場合。
それぞれの金額の違いや、周囲への気配りなどメリットデメリットを挙げてみてください。新婚旅行も兼ねて考えてみると、意外とアリなパターンかもしれませんよ!
まとめ
再婚の結婚式について、周囲に迷惑をかけない方法や、ポイントをご紹介させていただきました。
改めてご紹介した内容をまとめてみると
- 再婚カップルが結婚式を躊躇してしまう原因の多くは「ゲストへの負担」
- 特にご祝儀や交通費など金銭的負担を掛けさせてしまうことが悩まれるトコロ
- でも、ゲストの金銭的負担を掛けずに結婚式をする方法はある!
- ご祝儀の辞退や、交通費の全額負担などで結婚式に出席しやすいようにしてあげる
- 親族の食事会と、友人だけの会費制パーティー、リゾート婚など気兼ねない結婚式のスタイルもあり!
これからの人生、より豊かなものになるべく出逢えた人です。
「再婚だから」と気負いしてしまうのではなく、ゲストへの負担を考慮しつつも自分が思い描くカタチを実現してください。
何年か先「やっぱりあの時、思いきって結婚式を挙げておいて良かったね」そうふたり笑顔で振り返ることができますように……。