これまで友人などいくつかの結婚式に出席してきた30代・40代のプレ花嫁さま……。
参列経験があるからこそ、結婚式の良し悪しも体験した上で「年齢に見合った落ち着きのある結婚式がしたい……」そう願う人も少なくないはず。
そこで元プランナーの筆者がおすすめしたいウェディングスタイルが「大人婚」。
「可愛い♪」「お姫さま♡」なキラキラしたばかりの結婚式ではなく、落ち着きのあるおもてなし重視の結婚式をしてみませんか?
今回は「大人婚」に関して、基本である「大人婚とは?」な基礎知識から、大人婚を成功させるためのステップをまとめてみました!
ステップ1・【大人婚】を知る
まず、そもそも「大人婚ってナニ?」から詳しくご紹介していきましょう。
「主役はゲスト」という考え方
筆者がプランナー時代、大人婚をテーマに結婚式を作るときに新郎新婦おふたりに大切にしていただいていたのが「結婚式の主役は、ゲストである」ということ。
もちろん、結婚式といえばホントのところ主役は新郎新婦のおふたりです。
ですが、新郎新婦おふたりが結婚まで辿りつけたのは、これまで支えてくれた家族や友達がいてくれたからこそ。
ということで結婚式は、出席してくれるゲストへ【これまでの感謝の気持ちを込めて『最大限におもてなしをする日』】とし、ゲストのために結婚式を行う。という気持ちを大切に持っていただくようお願いをしていました。
質に徹底的にこだわる
大人婚を目指すなら、アイテム選びはすべて『質』にこだわりを持っていてください。
それは、招待状などのペーパーアイテムはもちろん、ドレスや装花、引き出物など全てにおいて……。
大人婚を目指す世代といえば、物の良し悪しも区別がつくハズ。当然、出席するゲストも同世代が多く、同じく良し悪しがわかる世代。
大人婚に大切なのは、上質感。
節約のためなら、質を落とすのではなく数を減らして予算を削減するようにしましょう。
例えば、衣装はお色直しをやめてウェディングドレスの1着にする。その分、ウェディングドレスに予算をかけて質を高くする。
装花は同じ予算をかけたとしても、安価な花材を使用してボリュームを出すのではなく、質重視の花材を選んでボリュームを落とす。ボリュームが少なくなって、寂しくなるようならキャンドルを飾ってみたり、小さな小瓶に花を生け分けると、ボリュームダウンの印象は拭うことができますよ!
『量より質』が大人婚のアイテム選びのポイントです。
ステップ2・大人婚の土台作りは会場選びから
大人婚の雰囲気作りに大切なのは、土台ともなる会場選びから重要に。
シンプルイズベスト
色とりどりに装飾された華やかな結婚式場も素敵ですが、大人婚を目指すならシンプルな式場がおすすめ。
また比較的落ち着いた色合いのある、歴史のある洋館や料亭を改装したような式場もおすすめですよ。
古く残る建物は重厚感もあり、また使用されている素材も上質なものが多く、あえて結婚式のために装飾をしなくても、館内のあちらこちらがフォトスポットにもなります。
ナイトウェディングでクラシカルにも
ナイトウェディングも大人婚の雰囲気作りとしておすすめ。
ナイトウェディングはキャンドルや、今トレンドになりつつあるランタンなどを使って、クラシカルな空間を作りやすく、また落ち着いた雰囲気を演出することができます。
また夕方以降の結婚式は、他の時間帯にくらべお得になる場合もあり、節約につながる可能性もありますよ!
ステップ3・大人婚はドレスの質を重視
冒頭でもお伝えした通り、大人婚に大切なポイントは「質」にこだわること。特にドレスは、素材の違いにより見た目の質感もまったく違った印象になります。
「品」のある華やかさ
上質なドレスは、動くときのしなやかさも違っているんです。
チープな素材のドレスは、動くときにシャリシャリと音がなってしまい、またドレス全体が動くようなイメージで、移動の際のゴワつきは否めません……。
ですが上質素材のウェディングドレスは、花嫁さまが動くたびにドレスがフワリと揺れ、花嫁さまの動きとリンク。しなやかな動きと共に上品な印象を与えてくれます。
また素材のもつ光沢感も美しく、花嫁さまと共になびくような輝きが。
デザインで華やぎを求めずとも、素材そのものが持つ華やかさで花嫁さまを美しく見せてくれるんですよ!
スレンダーラインで花嫁さまを引き立てる
大人婚には、ボリュームのあるプリンセスラインやAラインのドレスではなく、シンプルにスレンダーラインのドレスがおすすめです。
全く装飾されていないデザインであっても、上質なドレスであればブーケを添えるだけでも美しさが際立つもの。
それに上記の写真のような、レースがふんだんに使われたドレスもロマンティックな印象があり30代・40代の花嫁さまにはおすすめですよ!ロングスリーブのドレスは、気になる二の上で周りもカバーしてくれるメリットもあります!
ステップ4・結婚式の日、最高に美しくあるためにできること
美容に関して、何かと悩みごとが増える大人花嫁世代……。とはいえ、やっぱり結婚式当日は、最高に美しくありたいものですよね!
そのために、今から知っておいて欲しいことがあります。
ヘアもメイクも美しさにはベース作りが大切
美しいブライダルメイクや、ヘアスタイル作りは、土台となる素材がポイントです。
つまり結婚式の準備をはじめた今、髪やお肌のコンディション作りがとても重要だということです。
乾燥しがちな髪や、くすみやシミも数年前よりは気になってきている人も多いはず。
いずれの場合も、即効性のある解決策があれば良いですが……。特に、お肌はターンオーバーの周期に合わせて長期的に肌質改善が必要です。
結婚式当日、これまでにない最高のコンディションに整えることを目標に、髪やお肌のお手入れは早い段階から意識をし、整えるようにしましょう。
ヘアスタイルはドレスデザインとリンクを
ブライダルヘアを考えるときには、ドレスや会場とのバランスも意識します。
質感重視のシンプルなドレスに合わせるなら、あえてヘアスタイルもシンプルに。
上記写真のように、ゆるく掛けられたウェーブとともに、軽めのまとめ髪。アクセントとしてヘアアクセサリーをつけるとシンプルな中にも、個性を出すことができます。
イヤリングにポイントを置くなら、ヘアアクセサリーをつけない引き算的な考え方もありです!
メイクはナチュラルに見えて、実はテクニックがポイント
ドレスもヘアもシンプルだからと、メイクをあまりにもナチュラルメイクにしてしまうと、顔の印象がぼやけてしまいます。
ブライダルメイクの基本は、いつものメイクよりも濃い目であるということ。
なぜなら、結婚式当日はたくさんのフラッシュやスポットを浴びながら過ごします。いつものメイクの程度だと、強い光にメイクが負けてしまうからです。
だからと言って、ただ濃いだけがブライダルメイクではありません。
ファンデを塗る前のベース作りは、コントロールカラーの下地で肌色を調整。スポットコンシーラーでシミやくすみもカバーします。また微細なパールが混ざるパウダーでテカリを抑えつつベース作り。
またアイメイクも一見ナチュラルに見える色味を使っていたとしてもを、アイラインはしっかりと引きます。
結婚式が昼間になるのか、ナイトウェディングなのかでもメイクのポイントも違っています。
ヘアメイクさんとしっかり相談しながら、ドレスとヘアスタイルに合うメイクを探しましょう!
ステップ5・大人婚「演出」のポイント
シンプルや質が重視の大人婚。であれば「演出はどうすれば?」と気になりますよね。
そこで、実際に筆者がプランナー時代にご提案していた演出に関するポイントをご紹介します。
「おもてなし」を一番に考えた演出を
ゲストを主役に考えた結婚式をするのであれば、自分たちが目立つような演出は極力避けるようにします。
例えていうなら、ゲストが食事の手を止めて見なくてはいけない演出「余興」や「新郎新婦間でのサプライズ」などはおすすめできません。
ゲストが結婚式に招待されて、老若男女みんながいちばん楽しみにしているといえばお料理ではないでしょうか?
そのお料理をベストな状態で堪能していただくためには、お料理を食べている手を止めるような演出はやめて、手を止めなくても良い演出をチョイスしてください。
例えば、お色直しには会場を真っ暗にする必要のあるキャンドルサービスではなく、各卓写真撮影をして回る「フォトラウンド」を。新郎新婦が自分のテーブルに来るまでは、ゲストはゆっくり食事を楽しめます!
演出をしないという考え方
担当させていただいた結婚式の中には、あえて演出をほとんど入れない披露宴もありました。
演出といえば「ケーキカット」と、ゲストの元に司会者が伺いインタビュー形式でメッセージをいただくような「ゲストインタビュー」くらい。
あとは、最後には「花嫁の手紙」や「代表謝辞」はきっちりと。
最初このご提案をすると、多くの新郎新婦さまが「間延びしませんか?」と心配なさっていました。でも大丈夫なんです。ゆったりとしたプログラムを組むことで、ゲスト同士の会話が広がります。ゲスト同士や新郎新婦さまとゆっくりお話をする時間が取れるので、間延びの心配は一切いりませんでした。
シンプルな結婚式を目指すなら、あえて演出はせず、ゆっくりとゲストと会話を楽しむ……。こんな穏やかな雰囲気が作れるのも、大人婚の魅力です。
“本物”を魅せる
質にこだわる結婚式なら、音楽にも注目してみてください!そこでおすすめしたいのが、生演奏の演出を入れること。
ずっと生演奏とはいかずとも、食事中や新郎新婦入退場の時などアクセント的に使うのも効果的ですよ!
また会費制のご友人だけのパーティーの時には、ゴスペル歌手の方に来ていただいて盛り上げていただいたこともありました。
日常ではなかなか聞くことがないプロの演奏や歌声をおもてなしアイテムの一つとして提供してみませんか?
ステップ6・大人婚を成功に導くためには料理が最重要
おもてなしを重視する結婚式なら、もっとも重視して欲しいのが料理です。
「素材」にこだわる
料理は素材(質)にこだわってください。結婚式という特別な日にふさわしい素材であるかどうかがポイント。
特に、メインディッシュであるお肉料理は要注意。
それほどお料理に詳しくない人でも、「鶏肉」と「牛肉」のランク違いはわかるもの。
お料理に予算をかけるのが厳しい場合には、コース料理全体をランクアップするのではなく、メイン料理だけランクアップ対応してくれる式場も有ります。
その他、ふたりの結婚式だからこそ使うような食材(出身地や、思い出の場所、式場のある地元の食材など)などにこだわりを持ってみるのも、ゲストの印象に残りやすいですよ!
ビュッフェがカジュアルにならない方法
「ビュッフェ料理」と聞くと、どうしてもカジュアルな印象になってしまいがちではありませんか?そのため、上質な結婚式には「絶対コース料理の方が良いのでは?」と思われる人も多いと思います。
ですが、お友達中心のウェディングパーティーなどは、動きのあるビュッフェスタイルもおすすめ。
ビュッフェ料理をチープな印象に見せないためには、やはりここも素材にこだわります。
高級食材を使った料理はもちろん、女性ゲストが楽しみにしているデザートの内容もチェックしてくださいね!
また、ゲストへビュッフェ内容を事前に告知しておくのも、料理を楽しみにしていただけるコツ。パーティーの受付時に、メニューがわかるぺーパーアイテムを渡すと漏れなく全員に伝えることができますよ!
ドリンクにもこだわる
料理を重視するなら、忘れてはいけないのがドリンクメニューの充実。
ゲストの層に合わせてドリンク内容を決めるのはもちろんですが、お料理の内容に合わせてワインや焼酎の種類を選んでみたり……。
担当させていただいた結婚式では「新郎さま出身地の焼酎」や、「プロポーズの時にお二人が飲んでいたワイン」など、新郎新婦さまにまつわるドリンクを出すこともありました。
おふたりの中で思い出のある飲み物はありますか?
あるなら、ぜひ取り入れてみてください!
ステップ7・大人婚はゲストのことを思う引き出物を選ぶ
ゲストにお持ち帰りいただく引き出物や引き菓子も気になるところですよね!
カタログギフトにするなら……
カタログギフトは、ゲストに自由に商品を選んでいただけて、しかも持ち帰りもしやすいことから引き出物の中ではダントツ人気のあるアイテムです。
ですが、内容によっては「あまり好みなものがなかった……」といった声も……。
そこでおすすめなのが、ゲストの層に会ったカタログギフトを選ぶこと。
例えば、親族であれば年配の方も多く、カタログギフトに掲載されているような商品も「強いて言うならコレ」と選ばれていることもよくあるそうです。
それであれば、商品が掲載されているものではなく、掲載されている商品が全て「料理(食材)」になっているカタログギフトを選んでみては?
また、ご友人であれば人気ブランドが手がけているカタログギフトもおすすめ。より好みに近い引き出物を贈ることができますから!
引き菓子は特別感が伝わるものを
引き菓子は、定番アイテムを避け、話題になっていたりオリジナリティのあるものをチョイス。
引き菓子自体が、縁起の良いデザインになっていたり、なかなか普段では食べる機会のないようなお菓子も喜ばれますよ!
上記写真は、フクロウのデザインがとてもキュートで話題になっているフロランタン。ラッピングもスタイリッシュで、結婚式の引き菓子やプチギフトとして人気です。
持ち帰りバッグもゲストのことを思うと……
今、式場が用意する引出物袋を使わずに、オリジナルバッグを作られるカップルが増えています。
上記写真のように、ジュート素材のものやトートバッグが人気です。
色や大きさ、素材やデザインなどはおふたりのセンスの見せドコロ!結婚式が終わった後も使っていただけますし、オリジナリティを出せるアイテムでもあります。
引き出物や引き菓子など、こだわりを持って選ぶなら、ラッピングにもこだわってみてください!
まとめ
「大人婚」について、ご紹介させていただきました。
改めてまとめてみると……
「大人婚」とは、ゲストを主役にしたおもてなし重視のウェディングスタイル
選ぶアイテムは質にこだわって上質さをキープ
ドレスやヘアスタイル・メイクも質重視の“品”を大切に
演出は詰め込みすぎず、会話が演出となるようなゆったりとしたプログラムを
引き出物や引き菓子は、定番商品を避けゲストに寄り添ったアイテム選びが大切
ゲストのことを第一に考え、おもてなしを大切にする「大人婚」。
30代・40代の新郎新婦さまだからこそ作り上げることができる上質な空間があるはずです。
ご紹介した「大人婚」のスタイルが、これからの皆さまの結婚式準備の参考になりましたら幸いです……。